奥さまCDです

ブックオフなどで買ったCDを紹介するブログ。

少年隊 - 封印LOVE(1990)

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アーティスト:少年隊

タイトル:封印LOVE

発売年:1990年

レーベル:ワーナー・パイオニア

  1. 封印LOVE 作詞:亜伊林 / 作曲・編曲:杉山洋介
  2. HEAVEN 作詞:覚和歌子 / 作曲:安田信二 / 編曲:寺田創

 

棚で見かけたときは、こんな歌、少年隊にあったっけ?と訝しんだものであったが・・・投げ売り8cmの中でも破格の掘り出し物であり、少年隊にハマるきっかけとなった一枚。

 

PWL歌謡の極北

表題曲は、これぞまさにというドンズバのPWL(SAW)サウンド。この辺の男性歌手といえば言えばリック・アストリーやマイケル・フォーチュナティが思い浮かぶが、三者三様の声質で交互に歌う少年隊のフォーメーションは、男声ソロよりさらに甘さとスリリングさが際立っている。


ちょっと頭の弱い優男の憂鬱

デートをキャンセルされた男が海岸で独りたそがれて「砂を蹴ってみてもまだ許せないよ」と始まるこの歌。

年上の彼女に対し拗ねてなお慕情を募らすかわいいオトコという設定なのだが、この気恥ずかしくも甘酸っぱい世界観を徹頭徹尾つらぬき通す歌詞には、微塵の隙もない。

ただし、「いつまでたっても ひとつ年上さ スピード上げて 追い越したいよ」というくだりだけは、何回聞いてもそりゃ無理だろと笑ってしまうのだが———

 

この頃はジャニーズタレントが徐々にセグメントを意識した売り出しかたをし始めた頃であったかと思う。つまりジャリ層〜ティーンには光GENJI、荒ぶるティーンには男闘呼組、そしてOLや一般層には「お兄さん枠」の少年隊というように。

実際、「しょうゆ顔」「ソース顔」という言葉の流行が示すように、当時の少年隊は一般層へのリーチにある程度成功していたと思われる。

 

他方、86年には男女雇用機会均等法が施行されており、結婚・出産に捉われず自立して働く女性こそが素晴らしいと喧伝され始めた時代でもあった。すなわち、25歳過ぎた未婚女性を「クリスマスケーキ」と揶揄するのはもはや時代遅れになり始めていた頃だ。

こうした背景を踏まえると、この歌詞が示す彼女には「都会で働く自立した女」像が想起され、なんとなれば主人公の会社の先輩なり上司という物語すら浮かんでくる。

とすればやはり、先の『ひとつ年上』という歌詞がいささか限定的に過ぎやしなかったかと気になってくるのだ。

当時の少年隊が24歳ぐらいだから、彼女の年齢をひとつと言わず3つあるいは5つ年上にしても充分歌詞は成立し得ただろう。その方がOL層、とりわけ少年隊よりもお姉さまな層により多く刺さったであろうに、と勝手に口惜しくなる(お前は誰なんだ)。

 

製作陣に驚いた

1の作詞・亜伊林は大御所、三浦徳子(よしこ)の別名義。そして作曲の杉山洋介は元SALLYのボーカル(「東のサリー、西のチェッカーズ」と言われていたとか)。

他方、2の編曲の寺田創一は・・・Far East Recordingの人じゃないか!福田和子の!

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この寺田創一はアイドル楽曲リミックスの嚆矢とも言われており、島田奈美のリミックスを手がけた(89年)ばかりか、さらにパラダイス・ガラージラリー・レヴァンを招いてのリミックスアルバム(91年)まで制作したという。

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そんな好事家泣かせのリミックスの元となった島田奈美「Sun Shower」(88年)の作曲を手がけたのが、前述の杉山洋介だったというこの取り合わせ。

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 「封印LOVE」はかような製作陣によるシングルだったのである。だったら、なぜ、この面子を集めながら少年隊はリミックス展開をしなかったのか。甚だ残念に思う。

 

それにしても「封印」てなんだと思ったら、ジャケに小さく「WHO IN」と書いてあった。